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米国史上2番目に大きい銀行破綻事件、問題発生から48時間内で破綻

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【要約】

   SVB Financialの子会社であるSilicon Valley Bankは、2023年にFDICが保証する金融機関として初めて破綻した。

  カリフォルニア州金融保護革新局は同行を閉鎖し、連邦預金保険公社が管財人に任命された。同行の総資産は約2,090億ドル、総預金は約1,754億ドルだった。金利の上昇により、最近ベンチャーキャピタルへの投資が減少し、預金が縮小していた。同行は流動性問題を食い止めるため、株式公開で22億5000万ドルを調達しようとしたが、資金調達に失敗した。

 顧客が資金を引き出そうと躍起になっているため、預金流出が止まらなかった。このことは金融業界全体に響き、他の銀行の株価を下落させることになった。 

 

【本文】

 米SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行が10日、経営破綻した。米国における銀行の破綻としては過去2番の大きさとなる。顧客の間で預金を引き出そうとする動きが強まり、資本を増強する計画が中止となっていた。

 米連邦預金保険公社(FDIC)は、新たに設立した銀行を通じてシリコンバレー銀行を管理下に置いたことを明らかにした。預金は全て新銀行に移管されたという。

 米連邦準備制度理事会(FRB)によると、シリコンバレー銀行の資産は昨年12月末時点で約2090億ドル(約28兆2000億円)で、米銀では16位。米銀の破綻としては、2008年の金融危機を受けたワシントン・ミューチュアルの破綻以来、過去2番目の大きさとなる。

 カリフォルニア州サンタクララを本拠とする親会社SVBは、10日午前に22億5000万ドルの増資計画を中止し、事業の買い手探しを急いでいた。当局の動きは素早く、数時間後に同州金融当局が銀行を閉鎖し、FDICの管理下に置いた。

 SVBは今週、予想を超える規模の預金流出を受けて、保有資産を売却し20億ドル近い損失を計上したと発表し、投資家の動揺を招いた。これ以降の株価の下げは80%を超えた。SVBの顧客基盤であるハイテク業界では同行の健全性に対する懸念が高まり、預金の引き出しが広がった。

SVBの経営不安は銀行業界全体に波及し、9日には米銀上位4行の時価総額が合計で約520億ドル減少していた。

 

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